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製造業の人材不足対策に、デザイナーの能力を活用した「技術」や「サービス」の見える化について。

日本の製造業の多くの企業が抱えている問題が人手不足による人材の確保や事業の継承というテーマです。


1.熟練技術者・熟練営業マンの退職によって技術や営業ノウハウが失われるという危惧


熟練技術者・熟練営業マンから新人(若手)への技術・営業ノウハウの継承が上手くいっていない場合、人材不足に悩まされると、世代交代も上手く行かず技術継承も上手く行かない悪循環になります。


そのような問題を解決するのに有効な手段は、デザイナーの専門能力「デザイン思考」を活用した、技能の可視化とデジタル化対応と徹底的な省力化の実施です。そしてこれらが企業を成長に導く鍵となります。ものづくり企業のブランディングに関わってきた私たちの経験から重要なポイントを解り易くお伝えさせて頂きます。


2.デザイナーは観察と分析、解決策を可視化する達人。



よくある誤解の一つとして、デザイナーは単なる色やカタチの外観や見てくれよくするだけの存在と捉えられていることです。それは大きな誤りで、デザイナーは観察と分析、そしてそれらを解決する答えを可視化する達人なのです。それを「デザイン思考」といいます。それらを積極的に経営に取り入れた「デザイン経営」の推進こそが今とても重要です。






デザイナーの専門能力を活かして、製造現場の熟練技術者の知見や、企画開発部の技術者が積み上げてきた創意工夫、熟練営業マンの経験値といった「現場力」を見える化し、社内で共有できるように可視化し、デジタル化することは、「現場力」を維持・強化することにつながります。


企業内で技能と営業ノウハウ重視という土壌をつくり、腰を据えて熟練技能と営業ノウハウの見える化、デジタル化による技術継承に取組む姿勢が、短期間に一人前の技能者・営業マンを育成し、人材の定着を促します。そして、製造業の中核技術にあたる熟練技能のIT化と徹底的な省力化は、企業の生産性を高めます。






3.外部のデザイナーを交えたディスカッションとブレーンストーミングによって様々な気づきが。


私たちはクライアント企業の皆様とディスカッションとブレーンストーミングを大事にしています。定期的な取り組みの中でよく目の当たりにする現実は、クライアント企業の社員の皆様はそれぞれ日常業務が忙しく、製品一つひとつに関してじっくりと議論を交わす機会が取れないため、自社製品に関する理解度はバラバラになっているということです。


同じ開発部隊であっても担当が違えば開発背景や売りポイント、他社製品に対する優位性などについては説明出来ない事が意外と多く、「知らなかった、違う認識をしていた」ということがよくあります。


デザイナーの専門能力でそれらを洗い出し、解り易く可視化していくことで暗黙知を形式知することができ、経営陣や社員の皆様の気づきが得られるだけでなく、社員それぞれの認識の違いを統一し経験値の浅い若手社員でもしっかり説明できるようになります。これこそがインナーブランディングの第一歩となります。





技術者一人ひとりの創意工夫を見える化した例では、過去の製品の開発時の創意工夫が掘り起こされ、新しい開発のヒントになったり、経験値の浅い新人技術者にも解り易く、新人営業マンでも熟練営業マンなみに顧客や見込み客への説明ができるようになったり、会社の歴史に誇りを感じたりといった良い効果が確実に感じられます。


4.ブランディングは見てくれを整えることではなく、企業の魂や文化を創り上げる取り組み


社内認識のばらつきの統一や、ベテラン技術者や営業マンの頭の中に眠っていた、暗黙知を形式知することによりクライアント企業の文化や魂の本質のような部分が見えてきます。


この文化と魂の部分を固めたインナーブランディングを進め、次に外側に見える形にして発信していくことが、企業のブランディングの本質であると私たちは考えています。




まとめ


外に向けて統一され説得力のある力強い説明やPRするためには、まず社内の皆様の腹に落ちていなければなりません。そういった地道な取り組みを日進月歩で積み重ねていくことで、本当に効果を発揮する強力な企業のブランディングを築き上げることができます。


社内のリソースや発想だけではなかなか進まない、人材確保や事業の継承の課題解決には専門のデザイナーとの協業が効果的です。この機会にご検討されては如何でしょうか。




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