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名古屋商工会議所会報誌 「月刊名児耶」にカロッツェリア・カワイ株式会社 代表取締役川合辰弥の特集記事をご掲載頂きました。






今月のフレンズ


カロッツェリア・カワイ株式会社

代表取締役K A W A I T A T S U Y A

川合 辰弥さん


世界の権威あるデザイン賞で14冠、国内を含めると19冠を達成した世界が注目する工業デザイナー・アートディレクターで、2019年に事業拠点を名古屋へ移転したカロッツェリア・カワイ株式会社の代表取締役を務める川合辰弥さんにお話を伺いました。


世界基準の普遍的なデザインで企業の課題を解決する


デザインの力で製品の付加価値を高め、世界へと売り込む


当社はエンジニアリングに根差したプロダクトデザイン・グラフィックデザインを中核として、クライアントの新しい事業を創造する企業です。ブランド構築におけるブランド戦略・商品企画・開発・製造・販売プロセスに必要なデザインを、適材適所かつ 一 気通貫してご提供しています。デザインの力で地球環境・社会・企業の課題を解決し、人々の暮らしをより良くすることを事業としています。


 当社を設立する以前は、大手自動車メーカーで開発技術者として働いていました。仕事で世界最先端のヴァーチャル設計技術に触れ、それらのツールを使いこなせるのであれば、少数精鋭でも世の中の人たちが驚くようなものを創り出すことができると思って起業に踏み切りました。会社設立にあたってイメージしたのは、イタリアに多数存在する工業デザイナー集団(カロッツェリア)です。名門のカロッツェリアでは、フェラーリを始めとした各メーカーの車体デザインを手掛け、その中で培った技術を活かして様々な製品が創り出されています。彼らはヨーロッパの見本市やデザイン賞、メディアなどを情報の発信源として利用し、手掛けた製品の付加価値を高めてから、海外に輸出することで商売を成立させています。当社はその日本版として、そのビジネスモデルを参考に実践し、日本でつくったものがヨーロッパで認められることによってブランドを創り、購買意欲と市場ポテンシャルの高いアジア圏や北米圏に販売展開していこうと考えました。


 そして、創業からの10年間に実践を積み重ねたことで、クライアント企業の製品デザインにとどまらず、事業計画の作成や市場調査、ヨーロッパの見本市を起点にした販路開拓、メディア戦略など、オリジナルブランドの構築に必要なノウハウを提供できるまでになりました。それらをトータルに提案できるのが当社の強みとなっています。


論理的な思考に基づくデザインでものづくりに革新を起こす


オリジナルブランドの立ち上げなど、思考の転換が生き残りのカギ


その 一 例が、※OEM脱却を目指していた大阪の穴織カーボン㈱というカーボン加工メーカーからの依頼で立ち上げたオリジナルブランド「A N A O R I CARBON KITCHENWARE」です。世界初のカーボン無水調理器具シリーズとして、5年の歳月を掛けたグローバルブランドへの成長をサポートさせていただきました。中でも「ANAORI CARBON POT OVAL」は、革新的なカーボングラファイトの特長を最大限に活かした色合いとフォルムが評価され、世界の三大デザイン賞といわれる「iFデザイン賞」「レッド・ドット・デザイン賞」「IDEA賞」を完全制覇したほか、国際的なアワードで7冠の快挙を達成しています。この経験を踏まえて、認知度向上とブランドの構築を早めるためには、多くの第三者評価を集めることがマーケティング面で大事だとクライアント企業に伝えています。


 また、多くのデザイン賞を受賞したことが転機となって、様々な業種の企業から当社に仕事のご依頼をいただけるようになりました。現在、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、世界中でサプライチェーンの崩壊や今までの常識や慣例が通用しなくなるような大きな変化が起きています。そのような状況において、全ての企業が既成概念に囚われない思考の転換で、活路を開いていく必要に迫られています。それこそが弊社の専門分野で、今までクイアント企業の経営陣・開発・販売部門の皆様に寄り添い、一緒に考えながら計画を立て、実現していくことで様々なクライアント企業のお役に立ってきました。不安を抱え、お困りの企業の皆様はぜひご相談いただければと思います。

 私が考えるデザイナーの役目は、クライアント企業が生き抜いていく力を分析し引き出すことです。いわば経営者の懐刀のような存在として、デザインのスキルだけでなく、経営に深く携わりながら様々な価値を提供して新事業を生み出していくべきです。これからは持続可能な社会の実現に向けて、リサイクルまでを含めた革新的なものづくりが求められます。


 そして今、当社が最も力を注いでいるのは、地球環境や資源の問題を解決する再生資源等を活用した、モノと環境づくりに関わる新事業です。日本がリードする素晴らしい技術にクリエイティブな力を加えて、グローバル展開を視野にイノベーションを起こそうとしています。また、それらに関連したロボット・産業機器などの開発にも携わっています。なぜなら、グローバル市場で勝ち残っているメーカーほどデザインを重視しているからです。日本のメーカーは技術者がデザインも行なっているため、どんなに機能性が優れていても製品に斬新さが感じられず、グローバル市場で競争に負けています。私はそこに「デザイナーの活躍する場」があると思っています。


デザイン都市名古屋で事業規模の拡大を図り、企業の成長を支援する


昨年、事業拠点を岐阜県多治見市から名古屋市へ移転しました。会社のさらなる発展を考えた時に、自分の分身のようなクリエイターを育てていかなければいけない時期に来ていた当社にとって、名古屋は次世代を担う若い人材を獲得するのに都合の良い場所でした。また、ものづくり企業が多い土地柄もあって、当社の事業基盤を固めるのに適していました。さらに、関東と関西のどちらにも行き来しやすく、海外へアクセスするのにも便利だったことも移転の決め手となりました。そのような地の利を活かし、今後は中部地区から全国そして世界へと、より多くの企業を成長させるお手伝いをしていきたいですね。

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